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ほんぽーと中央図書館で開催されている『さっちゃんのまほうのて』原画展。
1985年に出版されたこの絵本。私は今回の企画で初めて知りました。



インパクトがあるこの絵を描いたのは
おしいれのぼうけん』の作者田畑精一(たばたせいいち)さん。

表紙の女の子が、さっちゃんです。


せつなげな表情と涙が印象的ですが、
読み進めるうちに、自分もさっちゃんと同じ表情になっていることに気付くはずです。

あんまり書店ではみかけない絵本なので、気軽に立ち読みはできないかも。
あらすじ(ネタバレ含む)を書いておきますので、
少しでも気になったら、どうにかして是非読んで欲しい一冊です。


・・・・・以下ネタバレ『あらすじ』・・・・・・・・

さっちゃんは幼稚園に通う女の子。もうすぐおかあさんには赤ちゃんが産まれます。
幼稚園ではままごと遊びがはやっていて、おかあさん役はとても人気。
さっちゃんもおかあさんになりたいのですが、
いつも背の高い女の子がおかあさん役を演じます。

ある日のこと、さっちゃんがおかあさん役に立候補したとき、友達から言われてしまいます。
さっちゃんはおかあさんにはなれないよ!
 だって、てのないおかあさんなんてへんだもん。


たまらなくなったさっちゃんは、幼稚園を飛び出し、おかあさんに聞きます。
どうしてみんなと違うの?どうしてみんなみたいに指がないの?どうしてなの?
そうなんです。さっちゃんは生まれつき右の手の指がないのです。


さっちゃんはおかあさんの顔をじっとみつめて、さらに聞きます。
しょうがくせいになったら、さっちゃんのゆび、みんなみたいにはえてくる?


・・・・・・・・

もし、自分の子どもにこのように聞かれたら、
どのように答えますか?

おとうさん。さっちゃんも、おかあさんになれるかな。
そう問われたら、父親としてなんと答えますか?

「ゆびがないからおかあさんになれない」という言葉が頭にこびりついて離れなくなり、
元気いっぱいだったさっちゃんは、幼稚園にも行かなくなってしまいます。


最後は、もちろんハッピーエンドですが、
どうして、また元気を取り戻せたか、以下考察。



・・・ハッピーエンドの理由・・・・・・・・・

「さっちゃんと手をつないで歩いていると、
 ふしぎなちからが、さっちゃんのてからやってきて、
 おとうさんの体いっぱいになるんだ。 
 さちこの手は魔法の手だね。」

 と、コンプレックスの元である障害を容認し、肯定し、
 愛してくれるおとうさんの言葉に元気をもらったから。


「自分たちと違っても、さっちゃんが好きだ。遊びたい。」
 と、意思表示してくれた友達がいるから。
(明確な言葉ではないですが、態度で表現)


一緒にいると幸せ」。
すごくシンプルですが、
障害者と健常者の垣根をなくす一番の方法なのかも。


他者と違うことをハッキリ認識してしまったさっちゃん。
障害を受け入れて、自分なりに納得して生きていくしかありません。
それはきっと、厳しく辛い道のりです。

でもそのとき、自分を認めてくれる人がいるだけで、どれだけ救われることか。

居場所がなくなったかのようにみえた幼稚園では、友達が待っています。
おとうさんも、さっちゃんと手をつなぎたいと言っています。

だから、さっちゃんも「障害者である自分」を受け入れられたんだと思います。
一人じゃないから。
もう、鏡の中の自分を見ても、けして人形のようだとは思わないでしょう。


1985年といえば、私も保育園に通っていた頃。
もし、さっちゃんが実在していたら、きっとそろそろ結婚や出産を考える年齢。

親の深い愛情につつまれて、やさしいおかあさんになってるといいな。
たとえ現実がつらく厳しいものだとしても、それでも、そう願わずにはいられません。

そして、さっちゃんが「おかあさん」になるためにも周りの支援と理解が不可欠。
そのためにも、この本は広く世間に知られるべきだと思うんです。

たばた せいいち
偕成社
発売日:1985-10




【まなび】
・子供の心を救うのは、やっぱり親の愛情。
・コンプレックスこそ愛して、自信に変える。
・知ることで、世界は変わる。(よくも、わるくも)




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ハチイチ新潟 べ〜の画像記事責任:べ〜
★原画展の会場にいた先天性四肢障害児父母の会の方々のたたずまいと言うか、
優しい雰囲気が印象的でした。涙を超えると笑顔になるのかな。
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